DAYS外伝3
DAYS 外伝3巻。
今回は速瀬、中澤監督、佐藤鈴木、来須編前編までが収録されています。
私はロン毛で目の切れ長のキャラが好きな傾向にありまして、DAYSの推しは速瀬隆伸(3年)!速瀬も出るならということで慌てて外伝も買うようになった現金なヤツなのですが
この外伝、キャラを知るという意味ですっごくオススメです。
もちろん安田先生原作考案ですし、作画も音羽先生という別の先生なのですが綺麗で見やすくまとめられています。
ここからはネタバレを含みますので、まだ購入されてない方は注意してください。
速瀬編は後半から。
聖蹟サッカー部には水樹という初心者ながら驚異的なスピードで実力を伸ばした怪物がいて、速瀬はその水樹と同じポジション。普通にいると絶対にレギュラーは奪えないというところから、速瀬にしかない「強さ」に迫るという内容になっています。
この頃は国母がスタメンで、速瀬はベンチ入り出来てないんですね。
そもそも本編の方では、初期はこの二人ほとんど(というか全く?)出てなくて、京王戦で水樹の代わりに出場〜というところから本格的に参戦してきたレギュラー組でした。初めてシラーっと出てきたときびっくりしたよ。誰なんだよ。
国母のレギュラーとしての圧倒的な練習量を前に、
「俺はどうやっても1日100しか出せないから、お前のそういうところを尊敬してる」とこぼす速瀬。
国母にも新戸部にも「意味がわからない」と言われるんですが、これ私も全くわからなかった。1日100出せたらよくね??とか思ったり。なんとなくわかるんだけど、やっぱりわからない。
その後速瀬のお姉さん(似てる)とのエピソードが出てきたりして、その意味が明らかになっていくのですが
国母の「糸ってのはな 張り詰めない限り 誰にも切れないんだ」というセリフが良かった。素直に褒め合える友人っていいな。
このエピソードを読んで、速瀬先輩とつくしって実は結構近いものがあるのかなと思ったりなんだり。つくしももう、それはそれは毎日全力タイプだけど、同じようにやっていることはすごく地味で、そしてそれは実はすごく尊いことなんだという。
それはそうと国母と速瀬は「モテたい」キャラなんですが、なんつ〜か本当にモテる気あんのか???モテないを演出してんのか??と疑いたくなるほど、全体的にすっっごい普通。モテない理由が特にない。まあモテる理由もそんなにないと言われたらそんな気も
聖蹟サッカー部の「認め合う」度は半端ないですね。もちろん各々いろんな葛藤と戦いながら仲間となっていくわけですが、初心者でポンコツだった水樹とつくしという二人をチームになくてはならない存在へと押し上げていった風通しの良さ。優良企業すぎる。
続いて中澤監督編。
本編でも何度か監督のセリフで出ていた「順子」がいよいよ登場します。
またこの順子が美人なんだーーー!!!!
どうやら監督と順子さんの出会いは大学のようです。若かりし二人が初々しくて可愛い。
私この話を読むまで、ヒゲと生方ちゃんの恋…まじであんのかな!?
と本気で疑っていたので、トンデモ部内恋愛は起きなさそうでちょっと安心しました。(安心?)
なんで離婚に至ったのかはわからないけれど、きっと少しのすれ違いだったんだろうな。現に監督はずっと順子が大好きで、そして順子も。
「あなたがいつまでも鈍いからよ バカ勝利」にやられた。いい女だ。
あと少しの勇気だぞ!頑張れ、ヒゲ!!
次は佐藤&鈴木編。
と言いたいところですが、これ実質「ムッちゃん編」と言っても過言でない!
やたら外周させてくるほっぺクルクルの先輩、なんと本名は柳樂潤。
ムッちゃんの「ム」はどこから来たんだよ!!
という来須白鳥と全く同じ反応をするまでが一連の流れ(コホン)
何といつもムスッとしてるからムッちゃんらしい。それでいいのか、ムッちゃん。
話は2年の中でも入学当初から頭角を現していた大柴と君下の二人を中心に、彼らを取り巻く同級生たちという図。
わかっていたことだけど、やっぱり大柴と君下は選抜の経験もあり、他の同級生からは憧れと同時に嫉妬の対象だったりもして。彼らを見ているうちにその差を痛感し辞めていく部員も大勢いたんですね。
DAYSという作品のの良さの一つに、ほとんどのキャラが"凡人"なのだというところがあるかな〜と雑炊は思います。現実、全国優勝するようなチームでもそこからプロの道に進むのはほんの一握りですもんね。
例えば大柴はプロになれる余白があるかもしれないけど、一方上記のように同じく憧れの存在と言われていた君下は、全国に出ればその枠じゃないのだと思います。それは本人が一番わかっていて、だから梁山戦の前にわざわざちょっかいかけてきた青函の平(ゴリラ)に対し
飽きてんだよ
自分より才能のある奴に絶望するのも
笑っちまうくらい努力する連中を目の当たりにするのも
その度に俺の価値が下落すんのも…
と返します。
これは別に卑下とかじゃなくて、葛藤して悩んだ末に出した素直で率直な想い。その上で、それでも聖蹟の司令塔は自分しかいないこと、揺れている時間はもうないことを確信しているんですね。
まじでかっこいい
という何の捻りもない感想は置いといて
やっぱり聖蹟は「三本の矢」のチームなので、まじモンの実力者というとこの3人だけなのかもしれない。プロにスカウトされ本当にBIG3にいるべきはお前だとまで言われた臼井先輩も、かつて水樹という才能を前に苛立ちを隠せなかった一人です。
話が逸れた。
もちろん鈴木と佐藤も「凡人」です。天才なんかじゃない。プロになれる実力はない。だけど、地味で名前もロクに覚えてもらなくても、名門聖蹟になくてはならない存在へと上り詰めていく。そしてそれを、サボる方法をいつも考えながらもしっかり見ているムッちゃんこと柳樂潤。
この構図が絶妙で、面白かった!
何よりもうなんか色々わからなくなって
「もう何でもいいから早く俺をスッキリさせて!」と頼むムッちゃんがツボ。
ムッちゃん先輩いい人だよね。前々から思ってたけど、今回の話でなぜか彼の好感度がすごく上がりました。
私は鈴木先輩が妙〜に苦手なんだけど、この人現実にいそうすぎるんだよね。私は割とおちゃらけたことをいうタイプなので、この絶対零度の目に突き刺され「消えろよ」などと言われるのが想像に易いわけです。目が笑ってねえもん。佐藤先輩が「お前そういう顔じゃねえだろ」って言ったのに深く共感しました。
全国1億人の鈴木先輩ファンの皆様には深くお詫び申し上げます。
さて、最後は来須浩之!中1!
来須くんはいつでもまっすぐで、つくしと風間への葛藤も素直でとても感情移入がしやすいキャラクター。おじいちゃんとのエピソードがDAYS初泣きでした。
今更だけど、聖蹟っていうのは間違いなくサッカーの名門校で、みんなそれぞれの環境で「一番すげえ!!」って言われてきた子たちの集まりなんですね。
「風間と柄本ってヤツがいてさ 俺はあいつらが大嫌いだった。かっこいい奴でいたかった」
それなりにあった自信が全て吹き飛ぶくらい自分よりもずっとかっこよかった風間と、才能は欠片もないけれど人を動かす何かを持つ柄本。二人にどちらの意味でも敵わなかった来須。
心を乱されてしょうがなくて、ムカついた、嫌いだったと素直に表現するところが来須らしいです。
だけど、風間とつくしのサッカーは楽しいという純粋な笑顔に次第に溶かされていく来須の苛立ち。
「いつの間にか嫌いだって気持ちは消えてやがった」
どうあがいたって乗り越えられないもの、勝てないものがあるかもしれないけれど、それへのひたむきな向き合い方が、DAYSという作品は本当に光っているなあとしみじみ感じます。
来須新戸部白鳥今帰仁風間つくし生方の一年ズは本当にすっっごいかわいい。彼らが3年生になった聖蹟サッカー部は考えるまでもなくいいチームだと思う。つくしがキャプテン。副キャプテンは誰だろうなあ〜。風間は支えるポジションとは少し違うかな、絶対的なエースかなと思うし。何より間違い無いのは生方(3年)マネージャーの強さかな。
来須編前編はここで終わりで、次は4巻です。
外伝は4巻で終了のようなのですが、もっと見たかったー!!!
音羽先生お疲れ様でした!
おしまい。